住友ゴム工業は福島県の白河工場で、次世代エネルギーとして期待される水素を製造する「やまなしモデルP2Gシステム」を導入し、4月より稼働開始したと発表した。

このシステムは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から助成を受け同システムの開発を統括してきた山梨県との合意のもと、住友ゴムがシステムを導入して活用を進めるもの。白河工場ではP2Gシステムを24時間稼働させることで年間最大約100トンの水素の製造が可能となり、輸送を含むサプライチェーン全体(スコープ1、2、3)で年間約1000トンのCO2排出量削減につなげる。
やまなしモデルP2Gシステムは、山梨県が中心となって開発を進めてきた次世代型のエネルギーシステム。太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用して水を電気分解することで、環境負荷の少ないグリーン水素を製造する。P2Gシステムは安定的な水素供給を実現し、今後さまざまな産業分野において脱炭素化を加速させる技術として、国内外で大きな期待が寄せられているという。
同社は、白河工場を「脱炭素グランドマスター工場」と位置づけている。やまなしモデルP2Gシステムを用いてグリーン水素を活用したタイヤ製造のノウハウを蓄積しながら、将来的には国内外の他工場への展開も視野に入れている。
また、2025年3月には中部圏水素・アンモニア社会実装推進会議と、水素およびアンモニア等のサプライチェーン構築に向けた相互協力に関する基本合意書を締結した。今後は、中部圏での水素活用の検討も進めていく。