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横浜ゴム、グッドイヤー社の鉱山・建設用車両向けタイヤ事業を買収

横浜ゴムは7月22日、米グッドイヤーの鉱山・建設用車両向けタイヤ(OTR)事業を買収すると発表した。買収額は9億500万ドル(約1294億円)で、関係当局の許認可などが得られることを条件として買収を完了する予定。今回の買収によりOHT事業のさらなる成長を果たし、企業価値を高めていく。

グッドイヤーのOTRタイヤグッドイヤーのOTRタイヤ

OHTの市場規模は約4兆円、市場成長率は年6%と予測されており、消費財タイヤ市場の年2%と比較し高い成長が期待できる。横浜ゴムグループは市場の約40%を占めると予測される農業・林業用機械向けタイヤでは有利なポジションにある。今回の買収は強固なブランド力を有するグッドイヤーのOTR事業を取り込むことで、農業用途以外の分野における商品ラインアップを拡充するもの。

グッドイヤー社のOTR事業の2023年度売上高は約6億7800万ドル(約954億円)、EBITDAは約1億2900万ドル(約181億円)、EBITDAマージンは19.0%で、収益性が安定している。鉱山用車両向けや建設用車両向けタイヤでは世界的に認知された商品力、最先端の技術力、ブランド力を誇り、熟練スタッフによる専門サービスも展開している。商品は25インチ以下の小型タイヤから49インチ~63インチの大型・超大型タイヤまで幅広いラインアップを有している。

また、買収により横浜ゴムは、OTR専用工場である日本ジャイアントタイヤ(兵庫県たつの市)、豪州のGoodyear Earthmover Pty Limitedの全発行済み株式に加えて、世界各国の生産拠点上のOTR資産を取得する。

横浜ゴムはグッドイヤーのOTR事業の買収により、異なるタイヤサイズと価格帯の商品ポートフォリオの強化を図ることができると見込んでいる。特に、グッドイヤー社の商品ラインアップが追加されることで、農業・林業用機械向けタイヤに続き、非農業用向けタイヤのラインアップ強化を図ることができる。また、横浜ゴムがこれまで保有していない大型・超大型タイヤの商品開発力と生産力を取得できるようになる。

横浜ゴムでは「当社のOHT事業は、横浜ゴムとグッドイヤー社のOTR事業の強みを融合することで、新商品や新サービスの研究開発、生産、販売、品質管理、ESGなど全ての領域においてシナジー効果を発揮し、さらなる成長を図る」としている。