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TOYO TIREが独自のタイヤ設計基盤技術を高度化

TOYO TIREは、独自の高効率・高精度タイヤ設計プラットフォーム「T-MODE(ティーモード)」において、第7世代HPCシステム(High-Performance Computing system)を新たに採用し、より高性能なタイヤをよりスピーディーに開発する商品開発基盤を整えた。

TOYO TIREの基盤技術「T-MODE」TOYO TIREの基盤技術「T-MODE」

同社はスーパーコンピューターをタイヤづくりのコアリソースとして位置づけ、常にそのスペック向上を続けており、タイヤの構造解析用ソフトウェアは独自に開発している。2019年には、CAEによる従来のタイヤ設計基盤技術にAI技術を用いた設計支援技術を組み込み、新型「T-MODE」として進化させた。

今回は最新のHPCシステムの導入を機に現行「T-MODE」のソフトウェアの最適化を進めたことにより、これまで要していた設計者が利用する大規模シミュレーションの計算時間を最大2分の1以下に短縮。さらに、シミュレーションデータの蓄積が加速することにより、タイヤの構造、形状、パターンといった設計仕様を性能値から導き出すディープラーニングモデルの「逆問題」の予測精度向上も期待できるなど、より次世代技術の実現に向けた対応体制を高度化した。

現在、EVの普及拡大をはじめ、自動運転技術、SDV(Software Defined Vehicle)戦略など、次世代モビリティに関わる技術革新が次々と社会実装フェーズへと進化する中。タイヤには、性能や機能をスピーディーに実現していくことが求められており、今後、さらなる設計の高精度化・高速化が重要な鍵を握るという。

空力予測や材料物性予測など、大規模シミュレーションの飛躍的な実行回数増大により、今後、EV用タイヤには欠かせない要求性能である転がり抵抗や耐摩耗性に優れた製品の早期具現化が期待できる。